~今を生きる~

池内家からの帰り遥斗の携帯が鳴る。
亜也からだった。

「きっとそのうち話せなくなって、電話もできなくなっちゃうんだろうね。
もう全然違うね、東高にいた時とは・・・
麻生君とは、もう住む世界が違ったのかも・・・」

涙を流しながら静かに携帯を閉じる亜也。

後日、遥斗は養護学校の亜也を訪ねる。
そこで亜也は夢の話をする。

「いつも見る夢の中では、歩いたり走り回ったり自由に動けるの。
でもね、今日の夢は違った。私、車椅子に乗ってた。
夢の中でも私は、体が不自由だった。
自分の体のこと認めてるつもりでも、心の底では認めてなかったのかも
これが私なのにね・・・」


遥斗
「俺の今の気持ちいっていいか
ずっと先の事なんてわかんない
でも今の気持ちなら100%嘘が無いって自信持って言える。
俺、お前が話すならどんなにゆっくりでもちゃんと聞く。
電話で離せないならこうやって直接会いに来る。
俺イルカじゃねぇし、お前もイルカじゃねぇし。
お前が歩くなら、どんなにゆっくりでも一緒に歩く。
今は頼りならないかもしれないけど、いつかお前の役に立ちたい
昔みたいに行かなくても、そういう気持ちでつながってるから
住む世界が違うとは思わない」

「俺、お前のこと・・・好き・・・かな。
好きなのかも・・・多分」

ここで決心がつきました。

亜也は、一人じゃないんだね。

水野医師の言葉を思い出す亜也。
「伝えたいと言う気持ちをあきらめないで、ゆっくりでもいいから話す」

これからは、ゆっくり、ゆっくり伝えて行く。


人は過去に生きるものにあらず。
今できることをやればいいのです!
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